2026年9月13日、福島あずさ准教授が講演「住まい方の工夫で熱中症を防ごう―古民家の環境から学ぶ―」を行いました

 2026年9月13日(日)、あかし市民図書館において「大蔵谷ヒューマンサイエンスカフェ・暮らしの課題解決講座」(神戸学院大学地域研究センター、あかし市民図書館共催)が開催され、地域研究センターの福島あずさ准教授が「住まい方の工夫で熱中症を防ごう―古民家の環境から学ぶ―」と題して講演を行いました。

講演する福島准教授

 以下は、その要旨です。

 みなさんがお住まいになっている家屋の「室温」はどのように決まるのでしょうか?  現代の住宅は、外部からの熱や冷気を遮断し、エアコンや暖房器具の熱効率を上げる、高断熱・高気密の構造になっています。外部とは異なる室内空間を構築し、冷暖房を効率化することで住宅の省エネルギー化をはかるという考え方に基づいています。

 一方、日本の伝統的な民家は家のなかで火を焚く(囲炉裏)ことを前提として、換気性や風通しを重視した構造になっています。いわば低気密構造の家屋ですが、冬場は囲炉裏が熱源となるため、局所暖房として機能します。

 囲炉裏を使用しなくなった現代的の暮らしに、伝統的な民家はそぐわないようにも思われますが、伝統的な民家における住まい方の工夫には、現代にも生かせる要素があります。

 現代の古民家における室内の熱環境や住まい方に関して、2つの地域で調査を行いました。明石市大蔵地区の調査では、夏場、日中は増改築した台所でエアコンを使って過ごし、夜には風通しのよい畳の間で自然通風で寝るという暮らし方をされている方がいらっしゃいました。このお宅では夏になると建具を簾戸に入れ替え、土間から居室への風通しをよくする工夫をされていました。伝統的な民家はもともと通気性の高い建物なので、こうした通気性をより高める工夫は非常に効果的です。住んでいる人が昼と夜とで居場所を替えることで、快適性を向上させているのです。

 こうした事例から、現代にも生かせる工夫を挙げるとすれば、まず家屋の断熱性能に関する工夫として「軒やひさしを深く取り(あるいは簾や「緑のカーテン」によって)、日射が入り過ぎないようにする」「屋上緑化など、屋根に断熱性と保湿性を持たせる」、つぎに住まい方に関する工夫として「家の中や周辺に気温差のある場所を作り、空気の流れを生みだす」「日中と夜間の居室を分け、それぞれの対策を考える」などがあります。

参加者から質問を受けました

 講演終了後は活発な質疑応答が行われ、聴講された方々とのあいだでさまざまな意見が交わされました。またあかし市民図書館のご尽力により古民家や熱中症に関する蔵書展示が行われ、参加者のみなさんが楽しそうに手に取っていらっしゃいました。

 地域研究センターでは地域社会に開かれた一般向け講演を定期的に実施しています。あかし市民図書館と連携した催しも含め、今年度にも多数の講演会が予定されていますので、ふるってご参加いただければ幸いです。

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