2025年度大蔵谷ヒューマンサイエンスカフェ『マイノリティと向き合う ―メディア・リテラシーを身につけ、マジョリティの特権性を理解する―』が行われました

 2026年2月8日(日)午後1時からあかし市民図書館にて、地域研究センターの主催する一般向け講演会『大蔵谷ヒューマンサイエンスカフェ2025』が実施されました。 
 今回は、人文学部の金益見准教授が情報探索とリテラシーに関する講演を行いました。 
 金准教授は「情報社会で生きている子どもたちは学校などでメディア・リテラシーを学ぶ機会がありますが、そういった教育を受けていない中高年の方がインターネットの中のデマや根拠のない情報に騙されてしまう事例があります。例えば教員同士でも『実家に帰省したら定年退職した父親がネトウヨになっていた』ということが話題に上がることもあります。今日は100枚以上パワーポイントを作ってきたので、気合を入れて説明します!」と宣言し、その言葉を受けてノートを取り出しメモを始める方もいらっしゃいました。

 講演は1部と2部に分けられ、1部ではウクライナのニュースが取り上げられました。そこからデマが広がっていく具体例を出し、そういった現象とメディアの構造がどう関わっているのかについての詳細な説明がありました。その中でフィルターバブルやエコーチェンバー現象が起こり、偏った意見が作られていく流れが分かりやすく述べられ、会場に集まった方々も熱心に聞き入っておられました。
 2部は、ネット上で攻撃の対象になりやすいマイノリティの話からはじまり、様々な社会問題を自分ごととして考えるために、特に「マジョリティの特権性」について時間をかけて説明が行われました。アメリカでマジョリティ研究が行われるようになった背景と、日本でそれを実践していくためには何が必要なのか…大切なのは、「自分自身が持っているマジョリティの特権性に気づくこと」。
 そして、最後はケイン樹里安さん(社会学者)の以下の言葉で締めくくられました。

自分は気づかない間にマジョリティとして振る舞っていて、誰かを傷つけていたかもしれない。
誰かをしんどい状況に追い立てる仕組みを維持していたのかもしれない。そんな気づきを得ることで、いままでとは少しちがう「自分」として、身の回りの人々とかかわれるようになるかもしれません。
あるいは、特権的なマジョリティとしんどい状況に追い込まれるマイノリティとに人々を分断する社会の仕組みに「ちょ、待てよ!」と言えるようになるかもしれません。
それはほんのちょっと、ポジティブに社会を変えていくことにつながっているはず。 

https://note.com/julinote/n/n1e83b80755ccより引用)

 講演後も盛んに質疑応答が行われ、「差別や人権についての講演を今まで何度も聞いてきたが、今まで考えたことがなかった新しい見方を教えてもらった」という感想がありました。金准教授は「視点が増えると世界の見方が広がりますよね。とても嬉しい感想です」と笑顔でお礼を述べました。

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 地域研究センターでは、地域研究・社会貢献の一環として『大蔵谷ヒューマンサイエンスカフェ』を継続的に行っています。 
 次回は2月28日(土)午後1時から、人文学部の新居田久美子講師によるビジネス講座「時間がない!を卒業したい人のためのスケジューリング入門」を実施する予定です。ふるってご参加ください。 

写真:中村 健史 
文責:金 益見  

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