2015年度第5回大蔵谷ヒューマンサイエンスカフェを開催しました。2/12

 2016年2月12日(金)に、第5回大蔵谷ヒューマンサイエンスカフェを18時から開催しました。当日は寒い中にもかかわらず、7名の地域のみなさんと大学スタッフ5名の、計15名が参加しました。

 今回の講演は、神戸学院大学人文学部三田牧准教授の「パラオの子どもたちの日本植民地経験」でした。子どもの時に日本の植民地支配を経験したパラオの人たちが、皇民として教育され、かつ島民として差別もされていた記憶について、長期にわたる調査に基づく詳しい説明を聞くことができませんでした。そして、聞き取り調査では、調査者からの質問を受けて、語り手は過去の出来事を想起し、その意味を再解釈し、時に新しい意味を発見することが示されました。すなわち、対話の中で過去の出来事の再解釈が起こり、記憶が活性化されます。そして、過去の語り、解釈はひととおりではなく、「歴史」は常に語りなおされると結論づけられました。

 この発表で紹介されたパラオの人々と同世代で、日本で生まれ育った参加者からは、それぞれの経験に基づいた質問が活発に出されました。戦争や植民地支配がもたらした影響について考える、意味深いカフェとなりました。
                              (文責 矢嶋巌)

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