2016年度第5回大蔵谷ヒューマンサイエンスカフェを開催しました。1/11

 2017年1月11日(水)に、第5回大蔵谷ヒューマンサイエンスカフェを18時から開催しました。寒中、12名の参加者がありました。

 今回の講演は、神戸学院大学人文学部金益見(きむいっきょん)講師の「やる気とか元気が出る『えんぴつポスター』の話」で、大阪市立東生野中学校夜間学級のお話を聞くことができました。こちらの生徒さんは、戦争や貧困、病気、家庭の事情でやむを得ず義務教育を修了できなかった、在日コリアン一世・二世が約8割を占めていて、約9割が女性で平均年齢は67歳という、全国でも珍しい夜間中学校なのだそうです。

 この学校の屋外掲示板に張り出されるという、手書きの文字が書かれた「えんぴつポスター」。生徒さんのさまざまな思いが鉛筆の形をした枠の中に、時に笑いを込めて、時に恥じらいを込めて、時に直球ど真ん中で記されているというものです。これがずっと気になっていたという金先生は、研究する許可をもらうと、1枚1枚に目を通されたそうです。そして、夜間中学校に通われる元気な生徒さんたちが記した心の声を読み解き、著書にまとめられました。

 今回、夜間学級の生徒さんならではの、明るく、そして万事にまじめな個性を紹介されたのち、学校のこと、家族のことなど、いくつかの分類でとくに目にとまった作品そのものを、鋭い感性と優しい眼差しで読み解かれ、紹介されました。
 夜間学級の情景が目に浮かんだのでしょう、ご参加のみなさんからも熱心な質問がありました。今回のカフェでは、夜間学級の存在を知り、その空気を感じ取ることまででき、大変意味深いものでした。
                              (文責 矢嶋巌)

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