2016年度第6回大蔵谷ヒューマンサイエンスカフェを開催しました。2/22

 2017年2月22日18時30分から、2016年度の最終回(第6回)となるHSカフェ「今、作られる音楽」を実施しました。講師は、現代音楽の作曲家でもある本学の宇野文夫先生にお願いしました。

 はじめに宇野先生から、ポピュラー音楽と現代音楽の違いについてお話しいただきました。現代音楽は、クラシック音楽をベースに、ベートーヴェン以降顕著になった宗教性を排除し、作曲者の思想(想い)がより強く反映された音楽(つまり、作曲者によるひとつの表現)であるとのことです。宇野先生は、芸術というものは、現実社会で起こるさまざまな理不尽なことにも深く関連するものであると、例を挙げて語られました。また、現代音楽で使われる不協和音について、協和音と併せて実際に音を聴きながら、どのような聴き心地かを体感しました。

 その後、宇野先生から新作曲をご披露いただきました。演奏は宇野先生のゼミの学生たちで、テナー・サクソフォン、ユーフォニアム、フルート、スネア・ドラムの編成です。曲は不協和音が多く使われ、リズムも予測の難しいもので、ポピュラー音楽やクラシック音楽とは全く違っていましたが、背後にある作曲者のメッセージ性がうかがえるように感じました。
 演奏後には、演奏した学生から、普段演奏している音楽との違いなど、感想を聞いたり、参加者の方に即興の踊りと演奏の共演をしていただいたりと、フロアからの質問も多くあり、盛りだくさんな内容でした。
 作曲者から作曲の経緯を聞いたり、演奏者がどのような気持ちで演奏しているかなど、音楽を鑑賞するだけではわからない「裏側」について知ることのできる貴重な機会となりました。
 
                                            (文責 福島あずさ)

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