2018年1月29日(月)の17時半から、第5回大蔵谷ヒューマンサイエンスカフェを開催しました。今回は、人文学部中山ゼミ2回生がマナビーホールで『新年明石伝説物語』の創作劇上演を行いました。この上演は、中山教授が開催した国際シンポジウム「大学生における演劇教育の効果とファシリテーターの役割―日本・中国・台湾比較」の第3部として設定されたものです。
自分の通う明石の町をもっとよく知りたいと、学生たちが歴史を調べて脚本を書きました。照明や音響などの演出も自分たちで決め、稽古を重ねてきました。演劇部員でもない普通の人文学部生が、知恵を出し合って作り上げた作品です。会場をいつもの大塩邸から神戸学院大学有瀬キャンパスへと移したこともあり、市民の皆さまには神戸学院大学の新たな一面を見ていただくことができました。
『新年明石伝説物語』は、「明石」の名前の由来をもとにしています。
昔々、この地で妻をもつ男が小豆島に住む美女に恋をしました。彼は毎日鹿の背に乗り、瀬戸内海を渡って美女のもとに通いました。その日も妻の懇願を振り切ってかの地へ向かっていたところ、鹿が漁師の放った矢にうたれてしまいました。男は鹿とともに海の底へ。血で赤く染まった鹿はそのまま岩になり、それが赤い石、赤石、明石と呼ばれるようになったということです。
さて、この伝説の男、死後はいったいどうなったのでしょうか?もしあなたが男の妻だったら、どんな気持ちになったでしょう?
舞台では、初詣に来た神戸学院大学人文学部生の福山幸男君が、男と鹿の霊に取りつかれるシーンから始まります。夫の女好きにほとほと嫌気がさした妻が、ついに家を出た!福山君は二人に彼女を捜しだす手伝いを頼まれたのでした。
一方、明石にさまよい出た妻は、人文学部のマドンナ桐野に取りついて夫の愚痴を聞いてもらいました。時はまさに初売りセール。桐野に連れられた妻は一変した故郷の地をめぐり、ウインドウショッピングでストレス発散。徐々に落ち着きを取り戻していきます。そして最後は思い出の海へ。そこで彼女が見たものは・・・。
寒い中、50名弱のお客様に見ていただきました。アンケートでは、「おもしろかった」「演劇部でもない普通の学生さんだとは思えない」「7月に見たときよりも格段に上達していた」とおほめの言葉をいただき、学生たちもさらにやる気を燃やしています。明石の名前については、別の由来もあるそうです。これからも明石についての情報をいろいろ調べ、「アタシノアカシ」シリーズを続けていきたいと思います。ぜひまたご来場ください。
(文責 中山文)