第9回大蔵谷なう。『モノづくりからはじまるマチづくり』を開催しました。12/18(水)

 いよいよ2014年が幕を開けましたが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。本年も明石ハウス(大塩邸)と地域研究センターをどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、昨年の12月18日(水)に第9回大蔵谷なう。「モノづくりからはじまるマチづくり」が開催されました。今回、講師としてお迎えした奥田達郎先生(奥田達郎建築舎・主宰)は、古い家屋の改修(リノベーション)を通して地域活性化(まちづくり)に取り組んでいらっしゃる建築家です。今回は、キャンドルシェイドのワークショップからぶっ続けでご講演いただいたので、さぞ、お疲れのことだったと思います。本当にありがとうございます!

第9回大蔵谷なう。『モノづくりからはじまるマチづくり』(講師:奥田達郎氏)は無事終了しました。総勢30名の方にご参加をいただきました。

 今回の講演で、奥田先生は3つの大きな主張をされました。それは①古い建物には価値や魅力があること、②古い建物のリノベーションを通して地域や街の活性化に貢献できること、③そのひとつに「モノづくりワークショップ」というリノベーションの手法がある!ということでした。「モノづくりワークショップ」とは、リノベーションの際に必要となる諸々の作業(たとえば、壁塗りや家具、照明の作成など)を、建築物の持ち主だけでなく、地域住民も巻き込みながら、自分たちの手で作ってみるというやり方のことです。
 奥田先生は、実際にこの手法を用いて、古民家の学生向けアパートメントへの改修や、廃校となった小学校のカフェへの改修を成功させており、今回の講演ではそれらの事例も合わせてご紹介いただきました。この手法によって所有者だけでなく、地域住民たちもその建物に愛着を感じ、完成後も関心をもって接してくれるという効果があるようです。特にカフェなどの店舗は、集客の継続にもつながっているようです。ちなみに、このモノづくりワークショップの手法、当初は、改修にお金がかけられないことから生まれた策だったようです。安く上がるというのも魅力のひとつですね。

 奥田先生の講演を通じて私なりに感じたことは、建築物とは、単に立ててしまえばそれで終わりというような独立したひとつのモノではなく、建てられている場所や街と密接なかかわりを持ちながら維持されていくものだということです。それは、換言するならば、建築物とは、建てた建築家や所有者だけのものではなく、地域住民との関わりのなかで生かされていくものであるともいえるでしょう。モノづくりワークショップの手法は、ある意味、これまで建築家や所有者によって囲い込まれてきた建築物を、地域住民に開くという側面ももっているといえるのではないでしょうか。

 ちなみに、今回も約30名の参加者にお集まりいただき、大盛況のうちに会を終えることができました。奥田先生は神戸学院大学のOBということもあり、学院の学生たちもたくさん参加してくれました。今年度もいよいよ終わりに近づいてまいりましたが、今後も、積極的にイベントを企画していく予定です。ぜひ、ご参加のほどをよろしくお願いいたします。(文責 吉田佳世)

タイトルとURLをコピーしました