2013年第8回『大蔵谷なう。』特別企画を開催しました。11/13(水)

 こんにちは。博士研究員(PD)の吉田佳世です。冬の匂いがする今日この頃ですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。大塩邸では、ホットカーペットを付けました。去る11月13日に私どもがお借りしております明石市大蔵地区の古民家・地域研究センター明石ハウス(通称:大塩邸)にて第8回『大蔵谷なう。』が開催されました。

話題提供者は首都大学東京大学院博士後期課程の四條真也先生でした。今回は「男性のフラ――再生の物語」というテーマで、ご講演をいただきました。映画「フラガール」をはじめ、日本ではフラは女性のものというイメージがありますが、ハワイを含むポリネシアのダンスは、武術(ルア)がその原型であり、男性を主な担い手とするものだったようです。今回の講演では、なぜ男性の踊りだったフラが女性の踊りへと変化したのか。その歴史的経緯と、男性のフラを再生しようとする現代的な動向についてお話しいただきました。そして何といっても、今回の大蔵谷なう。の目玉は四條先生によるフラの実演でした。伝統的な男性フラと現代的なものへとアレンジした男性フラ2曲を披露してくださいました。私、吉田の個人的な感想としては伝統的な男性フラの方が特にかっこよくて、素敵だと思いました(でも、実際はフンドシで踊るのでハワイ男性にはあまり人気がないとか…残念)。

フラが女性のものへと変わっていったのは、西洋社会との接触が大きな契機だったようです。神に対して捧げられる踊りであるフラが、西洋人(キャプテン・クック)に歓待のために披露され、その際、女性の踊りが喜ばれたこと、また、植民地政策が進行する中で、現地の民俗宗教との結びつきの強いフラをはじめとする伝統文化は、「劣ったもの」「価値のないもの」として価値づけされ、禁止されていったこと、これらの影響が男性フラの衰退に拍車をかけたようです。1970年代以降、伝統的ハワイ文化の再興は進んではいますが、まだまだ男性フラの普及は女性に比して遅れているようです。吉田の専門分野であるジェンダーの観点から言えば、やはり、見られる(鑑賞される)性=女性という西洋的な価値観は、現代ハワイ社会でも強固になっているというのが見て取れるのではないでしょうか。

 この日も大賑わい。約45名(講演者・学生等含む)の参加者が大塩邸に詰めかけました。なかにはフラの経験者の方もいらっしゃったようです。伝統的なフラを四條先生が踊られると、参加者からは、その勇壮さ、しなやかさに感嘆の声が上がりました。講演の最後には、四條先生によるフラのステップの指導もありました。参加者の皆さんもノリノリでやってくださいました。
 動きがあるとやっぱり楽しいですね!今後も様々なテーマで勉強会を企画していく予定です。是非、ご参加くださいますようよろしくお願い申し上げます。                           (文責 吉田佳世)

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