2013年第6回『大蔵谷なう。』を開催しました。10/2(水)

 第6回大蔵谷なう。「島に『障害』がやってきた!――南太平洋島嶼国サモアの障害者福祉」は無事終了いたしました。総勢20名の方にご参加いただきました。

 こんにちは。博士研究員(PD)の吉田佳世です。私どもがお借りしております明石市大蔵地区の古民家・地域研究センター明石ハウス(通称:大塩邸)にて第6回『大蔵谷なう。』が開催されました。第6回の話題提供者は近大姫路大学の倉田誠先生でした。「島に『障害』がやってきた!――南太平洋島嶼国サモアの障害者福祉」というテーマで、日本のずっと南にある島、ポリネシア・サモアに住む人々が西洋由来の「障害」という概念とどのように向き合っているのかについてご紹介いただきました。

この日は20名(講演者含む)が参加しました。なんと、講演者である倉田先生はサモアの民族衣装を着てお話してくださいました。現地の人みたいに似合っていました!

もともとサモアには「障害」という言葉はありませんでした。私たち日本人の目からすれば障害と思える症状も、サモアの人々にとっては、あくまで個人の身体的特徴のひとつにすぎないものとして捉えられていたようです。しかし、国連を中心とする世界規模での障害者福祉の展開により、1980?1990年代ごろからサモアにも障害者を支援するNGOが誕生しはじめました。それによって「特別な配慮もしなければ、排除もしない」というこれまでのやり方が、「何らかの配慮しなければならないもの」へと変わってきたのです。

しかし、サモアの障害者教育は、日本のように「ろう者ならろう学校に行く」というような、特定の障害者だけを集めて囲い込んでしまうというやり方ではありません。聴覚障害、視覚障害、肢体障害、知的障害、発達障害など、様々なタイプの障害をもつ子どもたちはもちろん、障害のない子も、同じ教室のなかで勉強をします。お互いに模索していくなかで、健常者と障害者の区分を超えるコミュニケーションの取り方を編み出している姿が紹介されました。

参加者からは「日本では障害を持った子を子を産み、育てることを『十字架を背負った』と思っている親が未だに多い。サモアのようにもっと寛容にいろいろな個性をもつ存在として認められる社会になったらいいのに」という意見が聞かれました。
 今後も様々なテーマで勉強会を企画していく予定です。是非、ご参加くださいますようよろしくお願い申し上げます。

(文責 吉田佳世)

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